このところ連休を挟んで時間に追われる生活続けていたが、今日は久ぶりの休みを利用して家の周りを歩いてみたら、薫風が頬を撫でてなんともいえぬ気持ちよさを感じた。
薫風は、初夏に新緑の間を通り抜けて吹いてくる若葉の香りを爽やかに運んでくれる。思わず深呼吸したくなる。
「薫風」は俳句や連歌を作る際にも欠かせない季語である。季語は俳句だけでなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており、日本の美しい四季の情景を繊細かつ美しく表現する日本語特有の言葉である。季語を大切するのは日本人の感性の豊かさを表すひとつではないかと思っている。ただ、最近は忙しさに追われ、デジタル技術の浸透とそれを使ったバーチャルの世界の拡散などで、感性を使う機会が減ってしまっている。
小さなことではあるが、昔から日本人が持っているはずの豊かな感性に少しでも気付いて貰おうと思い、ハワイ便では「ホノルル空港の空港に降り立つと、真っ先に皆さま方を出迎えてくれるのが心地よい貿易風です」といった機内アナウンスをすることがよくあった。
実際にホノルルの空港に到着して機外に出ると、貿易風が運んでくるプルメリアの花の香を微かに感じることができる。
今のような便利なものがない時代の感性豊かな日本人は、この画像のように薫風をゆっくりと味わっていたことだろ。