コラム

COP27は排出削減の進展なく途上国支援基金で合意して閉幕

エジプトで開催されていた第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)気象災害で「損失と被害」を受けた途上国を支援する基金の創設を決めて閉幕した。先進国側は地球温暖化対策の輪に発展途上国をつなぎとめることはできた。しかし、議論が「損失と被害」に集中したこともあり、肝心の温暖化ガスの排出削減ではめぼしい進展はなかった。各国には2023年末までに排出削減目標を上積みするよう求めた。
一個人が憂いてもどうなるわけでもないが、温度上昇による異常気象で、世界各地で甚大な被害が発生している。
2008年7月の洞爺湖サミット(G8)の前日、私は民放テレビ局の地球環境に関する取材を受けた際に「明日から始まるサミットでは各国の首脳が自国の利益を乗り越えて地球規模で話し合って欲しい」とコメントした。ただし、残念ながらこのコメントの部分は放映されなかった。
来年、広島で開催されるG7(先進7カ国首脳会議)の議長国となる日本は先進国側のまとめ役として大きな宿題を抱えることになった。議長国としての日本の手腕に期待したい。

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