コラム

若田光一さん5度目の宇宙

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在に臨む若田光一さんら4人を乗せた米民間宇宙船クルードラゴンが、日本時間の6日午前1時にケネディ宇宙センターからファルコン9ロケットで打ち上げられた。若田さんは日本人最多の5回目の宇宙飛行になる。若田さんと同乗したのは、初めて宇宙に滞在するアメリカの飛行士2人と、ロシアの飛行士1人。ロシアのウクライナ侵略で米露間の緊張が高まるなかであるが、宇宙分野での協調姿勢は維持された。
若田さんは4回目の宇宙滞在のときは、日本人ではじめて宇宙ステーションの船長を務めた。
2003年2月1日にスペースシャトルコロンビア号が大気圏に再突入する際に空中分解して地球に帰還できず、7名の宇宙飛行士が犠牲になった。この事故を受けてJAXAは「日本人宇宙飛行士安全検討チーム」を設置して様々な角度から宇宙飛行士の安全について検討を行った。当時航空会社の運航安全推進部長であった私も委員の一人に委嘱されて参加した。
そのこともあり、私は若田さんと一緒にシンポジュームに参加したこともある。また対談をしたことなどから、若田さんの素晴らしい人柄に触れることができた。
宇宙ステーションでの活動に関する技術面で優れていることはもちろんのこと、宇宙という過酷な条件のなかで、国も文化も習慣も異なる宇宙飛行士をまとめ、かつ地球上の管制センターとの協力ができる素晴らしい人間性をもっているからこそ、国際宇宙ステーションの船長に、そして今回も、初めて宇宙に滞在する宇宙飛行士と一緒に半年間、宇宙でのミッションを任されたのであろう・
地球上で起こっているウクライナ問題で米露の対立を乗り越えて、宇宙飛行士たちの宇宙でのミッションの成功を祈っている。
写真は若田さんと一緒にシンポジュームをした時のJAXAのチラシである。

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