コラム

国連安保理は肝心な時に機能しない

私は、以前から常任理事国が拒否権を行使できる権限を持っている国連安全保障理事会は肝心な時に機能しないと危惧していた。国連の安全保障理事会は、第2次大戦の戦勝国の5カ国からなる常任理事国と、2年の任期の非常任理事国10カ国の合計15カ国で構成されている。国連憲章のもとに世界の平和と安全に主要な責任を持っているが、今回、常任理事国のひとつであるロシアが拒否件を行使すれば、結局機能しないことになる。これは、一民間人である自分が危惧しても、どうなるものではないが、日本時間の昨日(5日)、ウクライナのゼレンスキー大統領は国連安全保障理事会の緊急会合で、オンラインで演説して、ロシア軍によるキーウ(キエフ)近郊のブチャなどでの民間人殺害について「第2次世界大戦終結以降、最もひどい戦争犯罪だ」と非難するとともに、平和維持を担う安保理と国連が「機能していないのは明らかだ」と述べ、改革と加盟国による行動を求めた。国連改革は、多くの国や識者がその必要性を感じていると思われるが、戦勝国の常任理事国は、その権利を手放すことは、よほどの事が起こらないかぎりまず望めないであろう。

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