コラム

今年の梅雨入りでなぜ記録的に早いのか

今日(5月16日)近畿東海地方が、昨日の四国中国地方に続いて梅雨入りの発表があった。例年よりも3週間か25日も早い梅雨入りである。一般に梅雨前線」は、オホーツク海気団(オホーツク高気圧)と、小笠原気団(太平洋高気圧)の二つの気団がぶつかってできる停滞前線である。しかし、5月16日12時の気象庁発表の地上天気をみると、太平洋高気圧は見当たらず、北から南に大きく張り出したオホーツク高気圧と、日本海側を東進する低気圧と大陸からの高気圧のみである。例年、本州の梅雨入りは例年6月にはいってからである。今年はなぜこんなに梅雨入りが早いのか。テレビの気象情報では説明されていないが、私は地球温暖化の影響が大きいと思っている。その根拠を以下に説明したい。

亜熱帯ジェット気流はオホーツク海付近で北に大きく蛇行し気圧の尾根を作る。その東側では南に蛇行して気圧の谷を作る。上空の気圧の谷の西側では、風の収束が起こり下降気流によって地上に高気圧が作られる。これがいわゆるオホーツク高気圧と呼ばれものである。例年だと5月の下旬から6月になるとこれが勢力を増して南下する。同時に太平洋高気圧も勢力を増して北上して、日本列島付近で勢力が均衡して停滞する。地球温暖化により2000年前後からジェット気流の蛇行が激しくなっていることを経験している。事実、5月16日日本時間9時の300hp(約100000m上空)の高層天気図を見ると、ホーツク海付近の上空でジェット気流が極端に蛇行している。その西側の下降気流により地上で勢力の強い高気圧が発生して、日本列島の東海上に南下し大きく張りだしている。地上と高層の二つに天気図からも、今年の梅雨入りでなぜ記録的に早いのかが確認できる。

 

 

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