コラム

照の富士と朝乃山の差は何か?

大相撲5月場所は照の富士の優勝で幕を閉じた。照の富士は膝の怪我で大関から序二段まで番付を下げてから、手負いの状態でまた大関に這い上がっての優勝だ。優勝インタビューは全力士だけでなく、一般の全ての人にとっても生き方の参考になる。インタビューをメモしておいたので紹介したい。『15日間、全部思い通りにいくわけでもない。もっともっと稽古して次の場所に臨みたい」。相撲を長く取れたらありがたいけれど、いつ何が起きるかわからない。自分の力がどこまで通じるか試して、最後に引退するときに、全てを出し切りましたと自分で満足していたい』一方で、この場所中に相撲界にとって大変なことが発覚した。これはマイナスの教訓として参考としたい。大関朝乃山が、本場所2週間前の番付発表から千秋楽までの4週間は不要不急の外出を原則禁止している期間にキャバクラに通ったということが、週刊誌で報じられた。最初の相撲協会の事情聴取に対して、当初は「事実無根」と全面否定していたため、翌日は土俵に上がったが、その後の再聴取では一転して規則違反を認めたに、休場となった。単純に協会の規則を破ったことより、万が一の影響の大きさということの重大さがある。もし、朝乃山がコロナウイルスに感染していたら、5月場所は開催出来なかっであろう。あるいは、途中で感染したとことが判明したとしたら、場所は途中で中止せざるを得ない結果になった可能性がある。大関は相撲協会の看板であり、他の力士の模範となるべきリーダーの存在でもある。朝乃山は規則を守るべきことはもちろんのこと、もっと事の重大性を理解していなかったのだろうか。当然理解していたであろうが、自分をコントロールできなかったのであろうか。朝乃山は体形的にも素質的にも大変恵まれた力士で、次の横綱に一番近いと期待されていた。相撲協会にとって、本当に残念なことが起こってしまった。照の富士と朝乃山の行動の差は何か?と考えてみると、やはり意識の差にいきつく。人間は意識してイメージすることによる行動に結びつくものだと思う。自分自身コントロール(マネージ)するのは自分である。それも地位が上がれば上がるほど、組織をコントロル(マネージ)する前に、まず自分自身をマネージして初めて良い結果を期待できるのではなかろうか。パイロットは飛行機をコントロールする前に、まず自分自身をコントロールできてはじめて飛行機をコントロールできる。このことは、どの仕事にも当てはまる原理・原則ではないかと思っている。<

 

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