コラム

人間社会も長い眼で見ると、物理現象と同じである

JALがウラジオストク便を開設した。日本からは僅か2時間半で行ける。そのラジオストクは、ロシアの極東における重要な軍港であったために、レーニン革命以来約70年間、外国人には一切開放していなかった。

しかし、1991年12月に旧ソ連が崩壊する半年前の7月と8月に、私は日本の経済使節団のチャーター便を担当した。厳しい監視に晒されることを覚悟でウラジオストクの空港に着陸した。ところが驚いたことに、戦闘機や爆撃のエンジンに蓋をして放置してあった。この光景を眼にして「ソ連が崩壊するのではないか」と感じた。

成田空港に戻り、帰宅後「もしソ連が崩壊したら、鉄のカーテンという壁がなくなる。そうなると情報も経済も、社会現状も世界中が平均化していくのではないか」と思った。2000年前後からその動きが加速している。人間社会も長い眼で見ると、物理現象と同じであることを知らされた。

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