コラム

新型ウィルス騒動に見る危機管理の教訓その(5)

今回の新型コロナウィルスに関しての教訓として、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で多くの感染者を出してしまった要因に「意思決定と指令塔の不在」がある。日本には米国の疾病対策センター(CDC)のように一元的に意思決定する指令塔がない。

指令塔不在で、被害が拡大し長期化した至近の事例として、昨年の9月に房総半島を直撃した台風15号での千葉県の例である。このときは指令塔不在の状態のために、千葉県内の自治体の停電に対する災害対策本部の設置状況がバラバラで、混乱と復旧の大幅な遅れなど重大な事態を招いた。

危機に遭遇した際には、指令塔が迅速に意思決定をして、一元的に対応することが、被害を最小限に止めるために必要なことである。ウィルス対策、自然災害対策など、日本も一元的に意思決定する指令塔の必要性を認識し、制度上の整備をするべきであろう。

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