コラム

各知事のコロナ対応からリーダーの在り方を学ぶ

新型コロナウイルスに対する全国の知事の対応を報道で視る限も、かなりの差が表れている。リーダーやトップの能力は、平時においてはスタッフがしっかりしておれば、その差を感じることはほとんどない。リーダーやトップの真価が如実に表れるのが、非常事態に遭遇したときである。今回のコロナ対応に関して二人の知事の在り方を例にとって、危機管理の視点でみるとそれがよく分かる。大阪府の吉村知事は、覚悟をもって迅速にかつ具体的な決断をしている。その決断には当然リスクも伴う。覚悟とは、決断した結果起こりうる全てを受容れることである。つまりどのよう非難も、責任も受け容れることを覚悟して決断している。

東京都の小池知事も、きめ細かく丁寧な対応と説明をしており、全国の知事の中ではよくやっているのではなかろか。非常事態宣言の解除に向けてロードマップを策定し、段階的に解除することを記者会見で述べている。そして、もし再び感染が拡大したら「東京アラート」を出すとも言っている。多くの都民はこの丁寧な説明、対応に納得をしているかも知れない。しかし、よく考えると、ロードマップの作成はあくまで平時のマネジメントである。リスクもほとんどない。残念なことに「東京アラート」は抽象的な言葉でしかない。都民は「東京アラート」は、具体的にどのような行動をすればよいかを、理解している人がはたしてどれだけいるだろうか。特に、刻々と変化する非常事態において、不特定多数の人、末端にまで確実な行動をして貰うためには、より具体的な言葉を使うことが大切である。

リーダーの立場にある方、次世代のリーダーの方にとって、コロナ対応の各知事の在り方から、リーダー、トップのあるべき姿を学ぶ教材はたくさんある。

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