今日(28日:米西部時間27日付)ボーイングから新しい情報が送られてきた。それによると、MCASというソフトの不具合と2件の事故で運航停止と生産が中止されていた737MAXの生産が、ワシントン州のレントンで開始した。昨年私が2回シアトルに訪れたときは、すでにソフトの改修を終え、改修済みのソフトのシミュレータを体験した。ボーイングは生産再開に際して、職場の安全性と製品品質の向上に重点を置いた、12項目の取り組みを実施しているため、生産レートを2020年中は慎重に月間31機の低いレートに抑えるとのことである。
私の個人的な感想を言えば、737MAXでのソフトの失敗を乗り越えて、安全性はもとより、更に高品質を目指す強靭さがあるのではないか。
2003年2月にスペースシャトル「コロンビア号」が、大気圏突入の際に空中分解した事故を受けて、JAXAが日本人宇宙飛行士安全検討チームを設置した。事故原因とNASAの再発防止を検討することになり、私もその一員となった。そこで感じたことは、NASAが失敗とリスクを乗り越えて宇宙にチャレンジしていくという、西部劇時代からのフロンティ精神に感心した。心情的にゼロリスクを求める日本のメンタリティーとの差を感じた。
今朝のニュースで、文科省や自民党は「9月入学は難しい」ということを報じている。確かに今までのことを変更するには、短期的にみれば様々な困難が伴うのは当然である。そして、できない理由を探すことが誰でも簡単にできる。長期的視野にたって、できる工夫を考えてこそ、進歩することができ、新しい環境、世界の流れに順応していけるのである。
ボーインの失敗を乗り越える「強靭な取り組とフォロンティ精神」と、日本の「9月入学が難しい」というニュースとを対比して、その違いを感じざるを得ない。
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