コラム

Go to トラベルキャンペーンと一次情報の大切さ

再びコロナの感染拡大がしつつあるなかで、Go to トラベルが開始された。Go to トラベルキャンペーンに関しては様々な意見がある。というよりも危惧する声の方が多い。今回はコロナの問題やGo to トラベルキャンペーンの賛否論とは切り離して、一次情報の大切さについて考えてみたい。

この連休中に、Go to トラベルで旅行した人と、テレビや雑誌、パソコン、スマートフォンで観光地の情報を入手した人では、情報の質が全く異なる。つまり一次情報と二次、三次との決定的な違いである。テレビの4Kの画面で観る光景は実に美しいが、それ以上の何ものではない。実際にそこに行った人が目にする現地の景色は、4Kで映しだされる光景ほど美しくないかもしれない。しかし、そこでは単に目に入る景色だけではない。音もある、臭いもある、肌に触れる空気もある。食事をすればいろいろな味もする。人との触れあいで楽しいことがある。嫌な思いをすることだってあるかもしれない。五感全てと心で感じることがある。情報の質も量も圧倒的に一次情報に軍配があがる。

デジタル社会になっても、現場、現物、現実の「3現主義」が重要視されている所以である。

もちろん、メディアからの情報、パソコンやスマートフォンを通じて得る情報もなくてはならない大切な情報であることにかわりない。

但し、価値という点では、自分が経験した情報、感じた情報、自分しかない情報、これらの情報にはOnly Oneの価値がある。参考までに、具体的に私の事例で紹介すると、次のようなOnly Oneの一次情報がある。地球温暖化に関して、学者でも研究機関でもない私にメディアの取材や講演依頼がある。それは、約40年近く亘って、自分の目で北極やグリーンランドの姿の変貌を見続けてきた唯一の日本人だというのが、その理由であろう。危機管理の講演依頼や、本の執筆依頼を受ける背景には、欧米の危機管理を勉強してきたことや、数百名の命を預かる航空機の機長という職種であったということよりも、イラン・イラク戦争当日から湾岸戦争にかけて、中近東路線の責任者として、幾多の修羅場を経験した。その一次情報がベースになっているために、経験に裏付けられていると同時に、稀少価値としての説得力があるのではないかと考えている。

 今回、賛否両論の中を、Go to トラベルキャンペーンで旅行をされている皆さまには、感染予防を徹底するとともに、一次情報の大切さを感じ、味わうことにより、旅行業界やホテル、旅館業界への貢献に、プラスした収穫を得ることができるものと確信している。

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