アメリカと中国は10日、英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、温室効果ガスの一種であるメタンの排出削減など、両国が今後10年間の気候変動対策での協力を強化することを盛り込んだ共同宣言を発表した。米中摩擦が続くなでのこうした共同声明を出すのは異例であるが、とくにかく地球環境だけではなく、国際情勢にとっても喜ばしいことである。
最近はCO2が温室効果ガスとして注目されているが、メタンはCO2の25数倍の温室効果があると言われている。有機物の腐敗や発酵などに伴って発生するゴミの埋め立て処分場や湿地、下水汚泥や家畜の糞尿の分解過程等で発生する。シベリアはアラスカの凍土が温暖化によって溶けるとメタンガスが発生する。特に近年の温暖化により、シベリアでは夏になるといたることころで森林火災が発生している。私も日本とヨーロッパ間の1回のフライトで6カ所の森林火災を報告したことがある。地球温暖化防止には、CO2だけでなくメタンにも注目したい。