15日にアフガニスタンの首都カブールがタリバンによって陥落した。海外のメディアによると、翌日の16日には、カブール国際空港には米英のほかドイツ、イタリアなどが自国民やアフガン人を避難させるために軍用機を送り込んだ。アフガンに自国機を飛ばさなかったのは主要7カ国(G7)で日本だけ
日本の政府専用機は天皇陛下や首相等の要人が外国訪問や国際会議出席などのためと、緊急時における、在外邦人等の輸送や国際緊急援助活動、国際平和協力活動などの際にも利用されるためのものである。
天皇陛下や首相の海外訪問は予めスケジュールが分かっている。民間航空会社の特別便仕立てでも十分運航できる。事実、政府専用機が導入される前には、私も何度か首相特別便に乗務をした。緊急時こそ、邦人救出に政府専用機があるのではないか。政府専用機導入前の湾岸危機では、邦人を含む多くの国の人がイラクで人質になった。自衛隊のC130輸送機を使用する計画をしたようであったが、当時の自衛隊機の能力では無理であることから、結局日本航空が運航した。国連安保理によるイラクに対する空域封鎖のなかを、私は邦人や東南アジア人の救出フライトを行った。
政府専用機がある今こそ、切迫したアフガニスタンに飛べばすべきできではないかと思う。
米英だけでなく、ドイツやイタリアでもできた。今の政府専用機は能力的にも十分ある。
緊急時においても政府与党内の根回しに時間がかかって意志決定に時間がかかるのか、それとも責任をもって決断するリーダー不在なのかは私には分からない。またG’7のなかで、日本だけが自国の飛行機を飛ばさなかったことを、疑問視を持って報道するメディアもほとんどないのが、日本の現状である。