コラム

柔道女子の金メダル獲得と「3倍努力」

柔道混合団体は惜しくもフランスに負けて銀となったが、9個の金眼メダルは国際化した「JUDO」から「柔道」を蘇らしてくれた。そのひとつの柔道女子78キロ超級で、素根輝が金メダルを獲得した。報道によると彼女は「3倍努力」という座右の銘にしているという。小学生の頃から「練習量は誰にも負けない」努力を続けてきたという。「3倍努力」という言葉は、十五年間無敗を保った「史上最強の柔道家」と呼ばれた木村政彦(故人)が掲げたものである。一般に他の人の2倍の努力はその気になれば、それほど難しいことではない。しかし人の3倍の努力をする人は極めて少ない。
金メダルに輝いた素根輝の「練習量は誰にも負けない」ということは、他の人がほとんどしない3倍またはそれ以上の練習の「量」を積み上げてきたのだ。つまり「量」をオリンピックの金メダルという「質」に高めた。つまり「量」を「質」に変換したのである。
ちなみに、私が「質(レベル)を上げるには量を質に変換すればいいのだ」と気付いたのが20歳代の中頃であった。それは、自分のレベルに悩んでいたときに、飛行機は速度があれば高度に変換できることからヒントを得たものであった。
オリンピックで金メダルを獲得するアスリートの例をそのまま一般に適用できるとは限らないが、量を質に変換できることは間違いない。努力の方法にもよるが、誰でも人の3倍の量をこなせば、少なくとも平均的なレベル、あるはそれ以上レベルになることができる。
オリンピックは勇気やいろいろな教訓、ヒントも与えてくれる。

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