コラム

非常事態宣言延長における出口戦略の重要性

非常事態宣言が延長された。宣言は入口でありその解除は出口である。

コロナ対応の非常事態宣言も含めて、何事も入口より出口が大切である。全国知事会は解除する基準などを明示するよう求める国への提言をまとめた。住民と直接対応する全国知事会としては当然である。トンネルの入口と出口を想定しても、入口より出口の方が大切であることは自明の理である。非常事態を宣言することも、延長を宣言することもそれほど難しいことではない。しかし、解除はそう簡単ではない。解除までの行程は何をどうするのか、具体的に何がどのような状況になったら解除するのか。解除した後の手当てはどうするのか等を、見極めて、それを国民に示すことが必要である。これはまさに情報収集、見極め、意志決定、行動のOODAループである。この一連のループを国民に示して、はじめて国民は具体的なイメージを持って行動することもできる。自粛行動も我慢することもできる。

この入口と出口の関係、出口戦略の重要性を明確にし、独自の「解除基準」を示したのは大阪府の吉村知事だけである。コロナ対応の各知事の記者会見の内容と、自治体のトップとしての決断を、危機管理の視点からみていると、吉村知事がダントツに秀でていると言えるのではないか。

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