コラム

梅雨時とは思われない空模様とそのメカニズム

今日(6月17日)は北九州から東北地方にかけて、大陸からの高気圧におおわれて湿度も低く、カラッとした梅雨の季節とは思われない好天に恵まれている。NHKをはじめ各テレビ局の気象情報では、説明されていない、この気象のメカニズムを説明します。

例年の梅雨の季節には、太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の綱引きで梅雨前線が形成される。湿ったしとしとした長雨が続くことが多い。今年はオホーツク海高気圧の姿はなく、太平洋高気圧と、大陸からの乾いた高気圧によって形成される前線である。今日は大陸からの高気圧の勢力が太平洋高気圧より強いため、日本付近は大陸からの乾いた高気圧におおわれているためである。今年の梅雨は、太平洋高気圧と大陸からの高気圧との力比べで形成される前線である。前線が日本列島付近に停滞すると雨、大陸からの高気圧におおわれると乾いた晴天、太平洋高気圧におおわれると湿度の高い晴天となる。これが3~4日毎に交替する。そして、太平洋高気圧におおわれるようになり、梅雨明けとなる。

では、今年はなぜ例年のようにオホーツク海高気圧が現れないかは、その理由は以下のことが考えられる。

例年だと、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流が、オホーツク海付近の上空で合流して、上空の大気が収束して下降気流となり、地上の高気圧となるのがホーツク海高気圧である。前回のブログで紹介したように、地球温暖化の影響と考えられるジェット気流の流れが、以前と異なってきているために、今年は二つのジェット気流がオホーツク海付近の上空で合流していないためである。日本の梅雨の様子も、地球温暖化の影響を受けていると考えられる。

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