コラム

安倍首相の辞任表明とリーダーに求められる健康管理

安倍首相が健康を理由に辞任を表明した。憲政史上最長となっていた政権であるが、コロナ対応をはじめ、国内外の難題を残しての辞任は無念極まりないであろう。安部首相の評価は政治評論に任せることにする。森内閣、小泉内閣時代の官房副長官、自民党の幹事長時代に朝食会等で、時々安倍さんにお会いしたときの感想は「この人は日本国のことをよく考えている人だ。特に日本の安全保障を真剣に考えている人だ」という印象を持っていた。残念ながら首相になってからは実際に会う機会はなかった。次の首相が決まったら、一国の最高のリーダーという重圧から解放されたら、ゆっくりと静養して健康を回復して頂きたい。

安倍首相の辞任を表明で改めて確認したいのが、リーダーに求められる条件だ。私は著書や講演でリーダーに求められる条件を、自分の経験からいくつか挙げている。その最も重要なものが「自己コントロール」「健康管理と危機管理」「決断力」である。健康管理は自己コントロールそのものでもある。ローマ史を研究し、多くの著書も出している塩野七生さんによると、古代ローマ時代のリーダーに求められるものとして「自己制御」「肉体的耐久力」などを挙げている。これは、私の経験から挙げている「自己コントロール」と「健康管理」である。時代が変わっても、リーダーに求められる基本的な条件であることに変わりないのである。

今リーダーであるひと、これからリーダーを目指すひとは、まず、自分自身のコントロール(Manage)と、自分自身の健康管理の大切さを、安倍首相の辞任表明から、今一度、肝に銘じて頂きたい。

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