コラム

渡哲也さんとグレートキャプテン

渡哲也さんが8月10日に亡くなった。衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。その人柄は報道された内容や関係者のコメントを通じてしか推測できないが、厳しく自己管理をされた方で、かつ大スターでありながら謙虚な人であったことは間違いないと思います。ご家族や渡ファンの皆様にとっては、失礼で不謹慎だとお叱りを受けるかも知れませんが、

渡哲也さんがもしパイロットになっていたなら、誰もが認める真のグレートキャプテンになっていたであろう、また組織のリーダーとしても真価を発揮したと想像している。

報道で知る事実の中に、度重なる重病と闘いながら現役を続けるためは、並々ならぬ自己管理ができたからこそだと思われる。

そして、「自身のことで人を巻き込みたくない。自分の訃報は、葬儀などすべてが終わるまで誰にも知らせるな」という趣旨の「遺言」を残していたとのことである。この二つだけをとってみても、リーダーとし必要な条件である厳しい自己管理のできた人で、かつ謙虚な姿勢を貫いたことが読み取れる。人間で一番難しいことのひとつに、自分自身をManageすること、つまり自己管理である。飛行機のキャプテンも飛行機をコントロールし、他のCrewをManageする前に自分自身をコントロールしてはじめてその職責を全うできる。有名な「ハドソン川の奇跡」のサレンバーガー機長について、私はテレビの報道番組で次のようにコメントしたことがある。彼の素晴らしかったところは、墜落寸前の状況下でありながら、飛行機をコントロールする前に自分自身をコントロールできていたことは、同じ機長として素晴らしいと思います。と。そのサレンバーガー機長は英雄視され、オバマ大統領の就任式に招待されるほど評価をされていたが、記者会見では「単に訓練通りに行っただけです」と謙虚に答えている。不謹慎の失礼を顧みず、渡哲也さんの自己管理と謙虚な生き方が、ついグレートキャプテンのイメージとが重なりました。

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