コラム

ピーチ航空機が男性客の安全阻害行為による臨時着陸の報道の本質について

9月8日の釧路空港発関西空港行きの便が、マスクの着用に関するトラブルが発端で、機内の秩序、安全の維持できなくなり、機長は新潟空港に臨時着陸をした。新聞、テレビが9日から11日にかけて、この件いついて報道している。私も民放の某テレビ局の電話取材に応じてコメントした。航空法の「機長は乗客、乗員の安全の最終責任を有すること。そのために、航空機内の秩序の維持、安全阻害行為等を阻止する者に対して、拘束または降機させることができる」という内容、及び、平成16年に施行された安全阻行為等(機内迷惑行為)防止のための改正航空法と、安全阻行為等(機内迷惑行為)を防止するための命令書について説明しました。

マスク着用の件が発端となったことは確かであろうが、この問題の本質は、このまま関西空港まで飛行を続けた場合は、機内の秩序、安全が維持できない可能性があると機長が判断して、新潟空港に着陸して当該男性旅客を降機させたのではないか。機長として当然の判断であると約20分間に亘りコメントしました。

しかし、テレビでは、男性旅客と客室乗務との間で、「言った、言わない、叩いた、叩いたのではなく触っただけ」など本質から外れたことでのコメントや説明が続いていた。視聴者は日本の多くの報道番組は、専門家のコメントは僅か10~15秒しか放映されず、複数のレギュラーコメンテーターによるワイドショー的な報道になっていることを承知で観る必要がある。そして、「報道されていることの本質は何か」を自分で考えながら視聴しないと娯楽番組で終わってしまう可能性がある。

ちなみに、アメリカのCNNやABS、や英国のBBCなどと比較すると、日本の報道番組の特徴が歴然とする。

最近の記事

PAGE TOP