コラム

宇宙飛行士・若田光一さんJAXAを退職

宇宙飛行士・若田光一さんが明日(3月31日)付けでJAXA((宇宙航空研究開発機構)を退職する。合計5回の宇宙飛行は日本人最多で、日本人初の国際宇宙ステーションの船長を務め、素晴らしい業績を残した。
宇宙開発には全くの素人の私ですが、航空会社の運航安全推進部長時代、JAXAの日本人宇宙飛行士安全検討チームの一員に委嘱された。その関係で私は若田さんと一緒にJAXA主催のシンポジュームに参加し、対談した経験からその素晴らしい人柄にも触れることができた。若田さんから伺った話で、地球上で働く私たちにとっても大変参考となる話は、安全に関わる講演では必ず紹介している。
国際宇宙ステーションでの活動は、各国から選ばれた優秀な宇宙飛行士が過酷な状況のなかで、どのように安全かつ確実なミッション(任務)を遂行しているかと若田さんに尋ねたところ、“Trust but Verify”という言葉が出てきた。宇宙飛行士たちは、“Trust but Verify”で安全にミッションをこなしている。これを私流に訳すると「お互いに信頼するがお互いに確認し合う」となる。そして安全講話などで紹介している。どんなに優秀なひとでも、抜けや勘違い等のヒューマンエラーを生じることがある。優れた能力を有し、厳しい訓練を得た宇宙飛行士でもお互いに信頼し合い、かつお互いに確認し合って安全で確実なミッションを遂行している。
地球上で仕事をしている私たちも、大事な仕事については、互いに信頼するがお互いに確認し合って、安全で確実な仕事を遂行したい。
「若田さんお疲れさまでした」と言いたいところであるが、今後は民間による有人宇宙活動に参画する意欲を示しており、具体的な活動内容は4月以降になるとのこと。

(写真はJAXAで対談したときのものである)

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