白浜町のテーマパークで飼育されているメスのジャイアントパンダ、「良浜(らうひん)」とその子どもの「結浜(ゆいひん)」、「彩浜(さいひん)」、「楓浜(ふうひん)」の4頭は日中の保護共同プロジェクトの契約期間が満了することにともない、今日(28日)、中国に返還されるというニュースが報道されている。
白浜のアドベンチャーワールドは1994年、中国側とジャイアントパンダの共同繁殖研究を開始し、中国国外では最多となる17頭の繁殖・育成に成功した。この数は中国以外には例のないことである。これは、飼育員の1日24時間の綿密な観察の賜によるものだと思う。
私は、OODAループ(Observe—Orient—Decide―Act)の講演や企業研修においてObserve(観察)の大切さと、自然界を観察することにより、多くのビジネスチャンスが生まれていることを事例として紹介している。航空界では大鷲等の翼端⇒ウィングレット、ハチの巣⇒ハニーカム構造がある。その他に以下のような事例もある
・カワセミのくちばし⇒新幹線
・クモの糸の強靭さ⇒人医療分野や宇宙開発
・植物のつるの巻きつき方:⇒ボットアーム
・魚の群れの動き⇒自動運転車の制御システム
・ホタルの発光⇒照明技術やバイオセンサー
歴史をみても、ニュートンの万有引力の法則は、ニュートンがリンゴの木からリンゴが落ちるのをじっくりと観察してその法則を発見している。
忙しい時代、効率を求める今の時代、丁寧に自然界を観察すると、誰も気付かなかった成果が生まれることが、まだまだたくさんあるはず。
報道の画像は、昨日、パンダと最後のお別れの白浜アドベンチャーワールド