コラム

欧米の報道と日本の報道の仕方の違い

日本の常識は世界の非常識と言われて久しい。そのひとつにニュースの報道の仕方がある。
ある事象が発生した場合、CNNやBBCなどは専門家が詳しく科学的、理論的にコメントする。日本は、専門家もコメントはするが、その時間はわずか十数秒がほとんどである。
関係した人々の「怖かったです」「心配です」というインタビュー録画や、タレントなどの複数のレギュラーコメンテーターの話が長々と続く。
報道番組とは言え、内容は物語になっており、視聴者には本質が届ないで終わってしまう。
風評被害被害も、「怖いですね」「心配です」というインタビュー報道がその一因として影響しているのではないかと思っている。

私は生出演の際には、僅か数秒ではあるが、視聴者に少しでも本質を分かって貰うために
キャスターの話に割り込んで、コメントすることがある。

もうひとつ、欧米と日本の違いに「安全」「安心」の問題がある。「安全」は科学的に説明できるが「安心」は心の問題である。国もメディアも必ず「安全・安心」という言葉を使用する。合理的な欧米人は科学的な説明で納得するケースが多い。
日本の場合は、簡単に「安全・安心」という言葉を使用するために、永遠に安心できない人が必ず出てくる。
また、「緊張感を持って」とか「スピード感をもって」という言葉を良く耳にするが、いずれも具体性のない、抽象的な言葉である。

情報が溢れる今の時代、私たちは、「なぜ?」「何のために?」「本質は何か」を自分で考えて行動する習慣が必要かと思っている。

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