コラム

洋画の日本語字幕監修の苦労について

先日、アメリカ映画の字幕監修を行った。この映画は日本では、まだいつ封切られるか決まっていないため、その映画は原題も、日本語の題名も現時点では公表できないが、初めて日本語字幕監修を依頼され、その大変さを経験した。
今までアメリカの映画を鑑賞する際に、スクリーンの俳優たちが話している英語の会話と事実は概ね合っているが、言っていることと、スクリーンの下に出ている日本語の字幕とでは、違うことがよくあり、なぜちゃんと訳さないのか、と思ったりすることがあった。
今回、映画の航空に関する部分の字幕監修を行って、大変さを初めて知った。
最初のうちは、英語をできるだけ、正確な日本語に訳したところ、1秒間に最大4文字以内と、映画会社の担当者から指摘を受けた。また航空の専門用語がはできるだけ使用しないこと注意した。(これは、テレビの報道番組でも気をつけているが)。
更に難しいのは、俳優が話している画面から、すぐ次の画面に変わる短い時間内で、言っている内容を簡潔に日本語の字幕にするために、何度も巻き戻してもらって修正した。画面が変わらいうちにうまく収まり、かつニュアンスや雰囲気が正確に伝わるような日本語字幕にするには、大変な苦労した。
今後、洋画(主に英語の映画)を観る際には、日本語の字幕が出来上がるまでの苦労も想像しながら観ることにしたい。

参考までに有名は映画「カサブランカ」のハンフリー・ボガードの台詞は“Here’s looking at you, kid”であるが、日本語の字幕は「君の瞳に乾杯」となっている。翻訳の正確さよりニュアンス、雰囲気を伝えることに重きをおいた字幕となっている。

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