コラム

ジャンボジェット(B747)の生産が終了とその関連ニュース番組

2月1日(現地時間)、「ジャンボ」の愛称で親しまれたボーイング747の最終号機が米貨物航空アトラスエアに引き渡され、同機種の生産が終了した。今まで1574機が生産され、日本の航空会社では、JALが世界で最も多く、113機を保有し、ANAも47機保有した。
私も副操縦士時代と機長時代を併せて約20年間、747を操縦士してきた。テレビ朝日からの取材を受けた。コメントの一部と私が提供した写真が今朝の「グッドモーニング」で放送された。取材の際には以下の内容をコメントした。
(1) 747は航空史上、最高の傑作機だと思っている。
(2) ジャンボ(747)が就航することにより、人、モノ、情報、文化が容易に移動することができるようになり、世界が狭くなった。
(3)私自身、5つの機種に乗務してきたが、そのなかでも747が一番安定しており、信頼性もあり、パイロットにとって操縦しやすかった飛行機であった。
(4)乗客にとっては快適な居住性を有し、客室乗務員も働きやすい飛行機だと言っていた。
(5)なぜ747の生産が打ち切られたのか、という質問に対して、次のようにコメントした。原油価格の高騰、4発機は双発機に比べて燃料消費が大きい、環境対策が厳しくなり、特にCO2削減の面からも双発機が主流となった。
(6)小林さんが747で印象に残ったフライトは、という質問にたして、以下のふたつを挙げた(この部分はもちろん放送はされなかったが参考までに)
  ①当日はまだ副操縦士であった1978年5月20日の成田空港開放当日、ジャンボ(747)としては、最初に着陸したこと。余談ではあるが、その時のキャプテンは、松平忠永さんという方で、越前松平藩主で幕末の四賢侯の一人、松平春嶽の直系の方で、本当に殿様のようだったことを覚えている。
  ②20世紀から21世紀を迎える瞬間の手前で、太平洋上の日付変更線を通過する際に、100年に一度しかできないアナウンスをしたこと。そのときのアナウンスは「日付変更線を通過して2001年1月1日を迎えます。新しい年、新しい世紀が皆様にとって良い年、良い世紀でありますように乗務員一同お祈り申し上げています」
(写真はテレビ朝日のニュースの画面)

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