コラム

温室効果ガスは本当に悪者か


日本を含む各国が2050年までに二酸化炭素の排出をゼロにし、温室効果ガスを80%削減目標に取り組むことを掲げている。温室効果ガスの排出をこのまま放置したら地球は大変なことになることは、地球温暖化による気候変動で、世界各地で今まで経験したことのないような自然災害が頻発している事実からも頷ける。
ここで、ちょっと考えてみたい。はたして温室効果ガスはそんなに悪いものなのか。もし、二酸化炭素などの温室効果ガスがゼロになったとしたら、地球はどうなるであろう。地球の平均温度がマイナス何十度の寒冷になってしまい、おそらく人間は生きていくことができないであろう。現在、地球の平均温度が15度Cであることはよく知られている。それは温室効果ガスのお蔭である。つまり、人間もふくめて地球上の生物は温室の中で生活していると考えることができる。
それは、温室効果のことを英語でも“Greenhouse effect”と称していることからも妥当であろう。ただ、ここ数十年来、温室効果ガスの排出量が異常に多くなり、温室効果が過ぎて環境破壊や甚大な自然災害が発生しているのである。地球上に存在するもので100%悪いものは存在しないはずだ。温室効果ガスも決して悪者ではない。地球の表面を寒冷から温かく守ってくれているありがたい存在である。それには、適切な値というものがある。近年その適切な値、バランスを人間が崩しているのである。2050年に向かって、元来我々の味方であるはずの温室効果ガスの排出量の値を適切な値に戻すのだ、と考えたい。
これは、私自身の感覚でしかないが、地球は常にバランスを保とうとしている。人間がそのバランスを崩すと、地球はバランスを元に戻そうとして、人間に対して試練を与えるのではないか、そんな気がしている。
(写真は私が環境問題の講演で使用しているPPT資料の画面です。この画面では温室効果ガスが必要以上に増加すると、地球を覆う帯(布団と例えても良いかと思います)が厚くなり、地表からの放射熱が宇宙に逃げにくくなり、地球の温度が上昇する、という説明をするために使用している画面)

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