コラム

コロナ後の「不確実な時代」では「テールリスク戦略」が求められる

コロナ後の社会がどう変わるかが、すでに論じられている。そのひとつに、ほぼ確実なこととして、コロナ以前よりも「不確実な時代」が来ることがあげられている。想定外のこと、稀にしか起こらないことが起こる確率が多くなる。今回のコロナ禍のように極めて稀にしか起こらないリスクをテールリスク(Tail Risk)と言う。テールリスクという言葉は、主に投資の世界で使用されている。今後はどの分野でも、危機管理を行ううえで大変参考になる。テールリスク戦略は、ポートフォリオでリスク分散することなど、想定外のこと、めったに起こらないことが起こっても、最悪の事態にならないように様々な手当てをしておくことである。

不確実な時代には、政治的、経済的、社会面で思わぬことが起こる可能性が常にある。

地球温暖化による気候変動がもたらす甚大な自然災害や、巨大地震が発生しても、最悪の事態を防ぐために、テールリスク戦略は必要である。テールリスクが実際に発生しなかった場合は、それらの手当てや備えは無駄となる。しかし、危機管理には無駄が絶対に必要である。第2次大戦後の東西冷戦が終息してから2020年のコロナまでは、効率化、コスト削減競争の時代であった。コロナ後には、国も企業も個人も、不確実な時代を生き抜くには、無駄も必要だという共通認識が必要となる。

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