「真影」とは、誤りも含む「定説」となっている真の姿、実態をいう。
紹介する「長篠の戦いの真影」は、私たちが映画や大河ドラマ、歴史書などで定評となっている歴史を、可能な限り事実・実態に近いものに近づけた貴重な本である。
この本は、長篠の戦いがあった、愛知県新城市を故郷とする有志の皆さんの情熱と尽力の結晶によるものである。
出版に至るきっかけは、長篠の戦いに実際に加わった小野田源右衛門正勝の愛刀が、450年ぶりに新城市に戻ったことである。(この刀は新城市新城市の長篠城址史跡保存館で観覧できる)
長篠で実際に戦火を交えた刀がこの地に戻ったことを機に、有志の皆さんが、事実・実態に近いとされる膨大な資料の読み合わせ等を実施し、戦いのあった地形をはじめとした現地調査などによって編集し、それをまとめて出来上がっている。
この本を読み進んでいくと「織田信長が3千丁の鉄砲で馬防柵から3段構えで、武田軍の騎馬隊に決定的に勝利をした」という定説(物語)にはかなりの部分で無理があることが判明する。長篠の戦いについて、今までの歴史書などにはなかった、Factに迫る本である。この本は、定説(幻影)となっている歴史を、真影(事実・実態)に近づける必要性を示唆する出版でもある。