コラム

今年も線上降水帯による豪雨の被害が発生

今年も7月から8月にかけて「線状降水帯」による大雨の被害が各地で発生している。次々と発生する積乱雲が列をなして通過あるいは停滞して線状に伸びた地域に集中豪雨となって大きな被害をもたしている。「線状降水帯」は2014年の広島県での集中豪雨から注目されるようになった。その後も西日本豪雨や九州豪雨では多くの死者を出した。
そのため、気象庁では昨年(2021年)から、「線状降水帯」というキーワードを使用した「顕著な大雨に関する情報」を発表するようになった。今年になってから、7月に2回、8月17日現在で1回、「線状降水帯」による「顕著な大雨に関する情報」を発表しているが的中率は5割にも満たない。気象庁もその予報の精度を更に高める努力をしているものと思われる。我々も線状降水帯発生のメカニズムを知っておくこと、各自治体が発行しているハザードパップで避難場所を確認しておき、気象庁から予報が発せられた際にはもちろんのこと、自分でも前線の位置や曇レダー等をチェックして、大雨を予測したら早めの対応、場合によっては避難準備をしておくことも決して無駄ではない。
参考までに「線状降水帯」発生のメカニズム(発生する条件)は次にようになる。
太平洋、シナ海、日本海などの海上から、①暖かく湿った大量の空気の流入が持続し、前線付近の地形や地表の②温度上昇で空気が持ち上がり不安定で湿潤な大気となって積乱雲が発達し、③上空の風の影響でそれが線状に並んで発生する。④通常前線は東西方向に停滞するので、線上降水帯も東西方向に発生し、南北方向に発生することはまずない。
 (画像は北九州地方で発生した線上降水帯:ウェザーニュースから)

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