元JALの社員としてではなく、危機管理の専門家として、今回のJALの社長人事について、テレビ局の取材に応じ、一般論として次のようにメントをした。させて頂いた。放送は最後から2段目の部分が放映されました。
私は経営団体や企業で「トップの危機管理」というテーマでお話をさせて頂いている。自然災害を除いて、危機管理を突き詰めていくと人事に行き着く。しかも、トップの人事である。組織の運命はトップ次第であることは、古今東西の事例が占めている通りである。トップにとって自分の次のトップを誰にするかは、組織の運命をも左右する。
2010年の経営破綻後、京セラの創業者の稲盛さんの強い意志とリーダシップにより、JALは奇跡的な再建を成し遂げた。そして、パイロット出身、整備出身の社長が続いた。今回その整備出身の社長の決断により客室乗務員出身者に白羽の矢が立った。
問題の解決策は現場にあると言われている。特に航空会社は現場の情報、現場感覚が重要である。整備出身の現社長がどのような考えで、客室乗務員出身者を社長長に任命したかは、分からない。一般論としては、航空会社の危機管理の視点からは、決して不思議なことではない。
欧米と比較して、日本は女性の社会進出が遅れている。今回のJALの社長人事は、多くの日本企業だけでなく、政治の社会にとっても一つの試金石となるはずである。