コラム

読書の秋

例年に比べ異常に暑かった9月から10月に入り、漸く秋本来の空気が漂うようになった。
10月といえば、「読書の秋」が定説であった。最近は多くの人は、本を読むよりスマホやパソコンの画面に向かう時間が圧倒的に多くになった。そのなかでも、画像やYouTubeなどの動画から多くの情報に接している。
「メラビアンの法則」によると、伝えることができる情報量は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%像、言語情報が7%と言われいる。
YouTubeなどの映像は90%以上の情報が受け手の脳裏に入って来る、自分で考えることもいろいろとイメージする必要もない。
それに対して、読書は文字を通して7%の情報しか伝わらない。それだけに、読み手は自分の経験、イメージ力、何かを汲み取ろうとする工夫が必要である。
古典や名著といわれる書物は、著者がたどってきた道や、深く考え抜いて到達した地点から導かれた結晶である。こうした本は、読み返す度に違った気付きや教訓が得られる。

情報洪水の中で自主性を失いかねない世の中にあって、「読書の秋」こそ、本と対峙してみるのも決して無駄ではない。

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